ぶらり歩き

28. 花見 小田原城址を歩く                          平成24年4月8日

 今年は例年より冬の寒さが厳しく、桜の開花の遅れが心配されたが、数日の遅れで開花が始まった。日本列島を縦断した爆弾低気圧も去り、4月8日は気温も上がったことから絶好の花見日和に恵まれ、小田原城址(写真1)に花見に出かける。満開の桜に包まれた天守閣に登る階段には、順番を待つ観光客が長蛇の列をなし、その手前の広場ではベンチや持参のシートで花見を楽しむ人々(写真2)が溢れている。小田原城には、子供達が小さいときに何度も遊びに来たことがあり、当時子供達が楽しみにしていたミニ蒸気機関車(写真3)は未だに子供達に人気の的のようで、親子が順番待ちでにぎやかである。しかし、その当時あった飛行船はなくなり、象やライオンなどが飼育されていた動物園はサル山が残るだけに縮小されたのには、寂しい思いがこみ上げてくる。これも時の流れなのかもしれない。

写真1 小田原城 写真2 小田原城址 花見客 写真3 小田原城址 ミニ蒸気機関車



 
 二の丸の広場では、桜祭りに合わせて小田原おでんサミット(写真4)が開催されており、地元小田原をはじめ新潟、岩手など各県からも自慢のおでん屋台が軒を並べ、大盛況を呈していた。揚げたてのさつま揚げを食べみると、材料の鮮度とほかほかの暖かさで絶品の美味さに大満足。勿論、片手には地ビールのグラス。帰る時間には少し早いので、小田原駅から箱根登山鉄道に乗り、入生田駅まで足を延ばし、長興山招太寺しだれ桜(写真5、6)を観に行く。入生田駅から徒歩5分ほどの距離にある招太寺の門前の道は旧東海道である。お寺からしだれ桜までは勾配のきつい登りの道を10分ほど歩かなければならないが、夕方間近にもかかわらず、これから観に行く観光客も少なくない。
 樹齢330年といわれるしだれ桜は、想像していたよりも枝ぶりが短い印象を受ける。保護のために、周りには柵が設けられて樹下に行くことはできない。しかし、桜は日本人の民族性を象徴し、感性を刺激する何かを持っていることを、小田原城の桜、そしてこの一本のしだれ桜が教えてくる。 

写真4 小田原おでんサミット 写真5 招太寺 しだれ桜(遠景) 写真6 招太寺 しだれ桜



 

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